2024/09/02 11:10
先日、ハンドドリップ講座を行いました。120分です。結構長いですね。映画1本分です。
方々から集められた私の知人が一堂に会し、総勢10名での講座を開くことができました。正直こんなに人が集まるとは思っていなかったので、驚き。資材もちょっとだけ、買い足しました。
コーヒーに精通している人もいれば、コーヒーなんて飲めない、という人もいた今回の講座。難易度の調整にはとても苦労しました。簡単な内容にすれば全員脱落することなく最後まで走り切れるけれど、コーヒーに詳しい参加者からしたら、せっかくお金を払っているのに知っている知識ばかりでは勿体無い(第一、そんな初歩的な講座には、私だったら行かないなとすら思うわけです)。かといって、難しすぎる内容にすると、せっかくコーヒーに興味を持ってくれた初心者の皆様を、完全に置き去りにすることになる。
そこで行き着いたのが、基礎理解と飲み比べです。
基礎理解とは、主にコーヒーそのものに対する理解のことを指しています。植物としてのコーヒー、焙煎前の精製されたコーヒー、焙煎後のコーヒー、グラインドされたコーヒー、そしてカップに注がれたコーヒー。それぞれの段階で、「コーヒー」はどのような変化を遂げ、外部からどのような影響を受け、最終的なドリップに至るのか、これを理解することから始めました。文字にすると難しそうですが、ある程度のところまでは直感でも理解できるもので、これがまた面白いんです。なんというか、化学の実験みたいな感じです。こんな温度で、こうやってドリップしたら、あんな味になるんだな、みたいな。時間をかけすぎるとこんな味で、さっと流す程度にするとこんな味。講座の前半30分は座学的な内容で、この基礎理解を行うための時間としました。
基礎理解をしたからといって美味しいコーヒーが淹れられるわけではなく、本当に大切なのはここからです。座学でインプットした知識と自分の味覚をすり合わせ、同時に好みの味や自分自身の癖を見つける。基礎理解があれば、きっと自分の好みに向かって、好きなようにドリップの仕方は変えられるはずです。
後半の90分は、参加者をグループ分け(特に意味を持たない、物理的で無機質なグループ分けです)を行い、それぞれのグループで参加者同士で順番にドリップをしあって、飲み比べを行いました。おそらく飲み比べをするまでは半信半疑だった皆様も、本当にびっくりするくらい味が違うことに驚かれ、人やドリップの仕方による変化を楽しんでいるようにも思えました。最初は自分なんて、、、と奥手になっていた方も、徐々に自分の好みを模索しはじめ、誰々さんのドリップが一番好みだった、今回はスピーディーにドリップしてみたのだけどどうだろう、といったコミュニケーションが生まれるようになり、こちらとしても嬉しい時間となりました。
そしてそして、ドリップ講座を終え、皆様にお土産をお渡ししました。ここではあえて名を伏せますが、かなり、良いお豆です。お家に帰ってからも是非コーヒーに向き合ってほしいなという、私の勝手な押し付けです。押し付けではありましたが、受け取っていただけました。そして早くもコーヒーを淹れたという方がいらっしゃり、さらなる飛躍を目指していると聞きました。嬉しいことです。
以前までは、どのお豆が美味しいかな、という質問が多かったのですが、参加者の皆様からは、このお豆はどうドリップしたら良いかな、という質問が飛んでくるようになり、ああ、講座自体よりも終わってからの方が実りある時間が得られそうだな、としみじみ感じてしまいます。
ハンドドリップ講座、またやろうと思います。
次回は、9月21日です。
参加予約フォーム、こちらです。